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看板わ

ダジャレだったりする・・
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10/03/00:33  抗議集会

 米国の首都ワシントン市内を歩いていると、何かしらの抗議集会にしょっちゅう遭遇する。米国人の集会だけでなく、反米、親米の外国人らが主催しているものもある。この雑多な感じが、米国らしさの一つだなと思ったりする。

 憲法判断がされる連邦最高裁前は、米国民の集会のメッカだ。銃規制の合憲性が争われた裁判の判決当日には、賛成派と反対派が入り乱れてシュプレヒコールを上げていた。

 「LIFE」と書かれたガムテープを口に張った数人のグループも混じっていた。「銃で命が奪われたら、口もきけなくなる」。こう主張する銃規制賛成派か?と思い、そのうちの1人の男性に聞いた。ベリっとテープをはがした彼は「私たちはプロ・ライフです」という。「プロ・ライフ」とは人工妊娠中絶反対派のことだ。

 「今日は銃の裁判なんですけど、なぜここに?」「中絶反対を訴えるため、毎日来ているのです」。この日だけ集まった連中とは一緒にするな、と言わんばかりの態度だ。ただ、裁判を取材に来たテレビカメラの前にはちゃっかりと陣取っていた。数日後、最高裁を訪れたが、そのグループはいなかった。

 

 もう一つの集会のメッカはホワイトハウス前。最高裁前と違うのは、外国人が多いことに加え、観光名所であることだ。米国とはいがみあっているロシアやベネズエラからの観光客も、笑顔で記念写真を撮っている。

 ここで、在米ミャンマー人らの集会に出くわしたことがある。同国で流血の事態となった軍事政権のデモ弾圧から1年を記念したものだという。勇ましい鉢巻き姿の若者やお坊さんもいて、自宅軟禁が続く民主化運動指導者、アウンサンスーチーさんの解放を求めていた。

 訴える相手は軍事政権。ワシントンには同国の大使館があるのに、どうしてホワイトハウスに向かって叫んでいるのかと不思議だったが、参加者の1人が「米国はミャンマーの民主化をサポートしてくれるので、さらにアピールしたい」と教えてくれた。

 なるほどなあと思いつつ、集会を眺めていたら、参加者たちが移動を始めた。ホワイトハウスがよく見える場所まで来ると、それをバックに写真をパシャリとやっていた。

 ほほ笑ましいといえなくもない集会や、二度と見かけない集会は、そのうち気にすることもなくなる。だがホワイトハウス前には、ただ者ではない女性がいる。

 スペイン出身のピシオットさん。年齢は「数えるのを忘れた」というが、60歳は超えているだろう。身長150センチにも満たない小さな体。顔は赤黒く日焼けしている。たった1人の反核運動を毎日続けており、今年が28年目だという。

 立て看板には、広島、長崎の被爆者の写真が張られている。「実際に核爆弾を使ったことがあるのは米国だけ。この国が変わらないとだめ」というのが、ここで活動を続ける理由。観光地であることも好都合だ。彼女の活動を取り上げた各国の記事のコピーを用意しており、外国人観光客にその国の記事を渡して、理解を求めることができるからだ。

 それにしても28年とは半端な時間ではない。彼女からはいつか、じっくりと話を聞いてみたいと考えている。【ワシントン草野和彦】

毎日新聞

外国人のパワーってすごいですよね

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